認知不足が招くトラブル

女性専用車両:利用できるのに…視覚障害の男性、困惑

1年半ほど前、何気なく電車に乗ったところ、「ここは女性しか乗れませんよ」と女性客に注意された。冷たい空気が車両に広がった。恥ずかしくて逃げ出したくなったが、満員で身動きも取れない。揺れる電車の中でじっと耐えた。この時以来、男性はヘルパーを駅まで同伴して確実に一般車両に乗ることにしている。

女性専用車両は、京王電鉄が01年3月に導入したのを皮切りに鉄道各社が取り入れるようになり、現在はJR東日本や西日本、全国の私鉄15社が朝夕のラッシュ時に運行中だ。痴漢対策が主な目的だが、交通弱者にも配慮して、障害者や女性に介護されている男性も乗車可能になった。

注意した女性も、男性が乗って来た時に杖などを持っていたりとか、動きにややぎこちなさが無かったかとか、その辺を洞察する能力に欠けてたとしか思えない。むしろ、女性車両ということを良い事に、化粧だ電話だ飲食だと好き勝手やってる馬鹿連中に比べれば遥かに正しい行為だろう。男性にとっては辛い体験になってしまったが、今回こうやって問題定義されたことに繋がったことで、少しでも納得してもらえると良いけれど。

ただ、こういったトラブルの根本にあるのは、今回の男性のようなケースで乗ることは可能であるという事を周知徹底しきれていなかった鉄道会社側にあるのは言うまでも無いが、直接関与することは無くとも、安易な判断をしないように心がけたいもの。